月別: 8月 2017

『祝山』で怪異の疑似体験

『祝山』は筆者、加門七海の実体験がベースになっているホラー小説です。 実体験そのままの方は、加門七海のエッセイの方に詳しく載っていますがこちらはあくまでフィクション。それなのに、妙なリアルさがあります。 ある日主人公のホラー小説家、鹿角は友人から相談を持ちかけられる。 肝試しにとある山に訪れてから、周辺で奇妙な事が続くと言うのだ。 次回作に行き詰っていた鹿角は何かの切っ掛けになればと友人とその友人達…肝試しに行ったメンバーからその話を詳しく聞く事になるが。 一人が事故死したのを皮切りに、本格的に怪異に巻き... Read More

小野不由美『残穢』にみる家さがしの怖さ

「怖い話」が書かれた手紙が届く。以前、連載していた小説中で募集していた「怖い話」の一環として送られてきたその手紙を読み進める〈私〉。 久保は、借りている部屋の寝室から奇妙な音がすると訴えていた。まるで「畳の上を掃く様な音」は、年をまたいでも止むことなくし続けていると言う。それどころか「着物の帯のような平たい布」が床を這っていくのを見たと言うのだ。 その記述に既視感を感じた〈私〉は昔、他の読者からもらった「怖い話」の中に同じく「畳の上を掃く様な音」に関する話があった事に気づく。 (2人が遭遇している現象は同... Read More