七人の武器屋

七人の武器屋は富士見ファンタジア文庫にて出版されていた小説です(現在は絶版し電子書籍として販売中)。
目的や出自・性別もばらばらな七人の少年少女がひょんな事から武器屋の共同経営をする事になった……という、あらすじからして荒唐無稽な雰囲気が漂う作品ですが、その荒唐無稽さと(作者含めた)若さから来る勢いが最大の特色・武器となっています。
1巻完結に近い作風で、毎回訪れる危機にどう立ち向かうのか、というのを大人の考えからすると無茶苦茶としか思えないようなやり方を(本人達もしばしば半信半疑で)押し通すというのが基本的な話の流れになります。
けれどもそれは不思議と許せる無茶苦茶さで、ある種の爽快さすら感じさせるものです。
それは、作者と七人全員がてらう事なく目の前の事に全力投球で、後先を考える暇すらないくらいに必死だからでしょう。
話の舞台が目まぐるしく入れ替わり、次第にその規模が大きくなっていくのもその流れをより大きなものにしています。
当初は自分の店をどうにか軌道に乗せる為の話が、ある事件を境に仲間を助ける為の大冒険となり、七人自身の本当の望み・目的はなんなのかを自問自答する話へと変わってゆく。
自然、こいつらはいったいどうなるのか、どこへと向かっていくのか、と読者は見守りながら話を読み進めていく事になるわけです。
荒唐無稽ながらもその一方で正統派のジュヴェナイルファンタジー。そうした二律背反の魅力を持った小説も、なかなかないと思います。