異世界で目指せ発明王(笑)という小説を読んだ感想

日本人が異世界へ迷い込むという話ですが、神様から滅茶苦茶便利な物や魔法を貰ったり、地球の物品をこれでもかと持ち込んだりできるようなイージーモードとは無縁ですが、突然の異世界で訳も分からないうちに、あまりにも過酷な状況に放り込まれるほどでもありません。

現地の魔法が、世界の物理法則をある程度知っていてイメージとして思い浮かべる事で発動できます。
主人公のショウ君は木の年輪や星座など結構知識をいろいろ覚えているので、井戸のポンプや馬車の振動を抑える仕掛けなど、いろいろな発明品で異世界人達を驚かせるのが読んでいていい気分になりました。
物語の冒頭に、ストーリー中盤以降で火薬を発明する必要に駆られた所を一番最初に挿入するのは、この小説の方向性を読者に分かりやすく提示してブラウザバックを避けるテクニックなのかなと納得しました。
地球の科学技術が、魔法頼りの異世界文明よりも優位に立てて、主人公の科学知識に異世界人達が感心するタイプの物語なんだなと冒頭を読んだだけで想像がついたため、私の好みに合ってそうだから読もうという意欲をそそられました。
地球人のように文明が進んでいるほど理に詳しくなる為、理をあまり知らない一般の異世界人より上手に魔法が使えるという設定は、異世界に転移した事故の拍子に魔力が覚醒したとか、超存在からとんでもない特殊能力の才能を貰ったなどの設定を好まない私には、「そうそうこんな小説が読みたかった!」という気持ちになれました。
他にもショウは料理も上手いですが、異世界の食材が地球の食材と似ている為、日本の調理法が通用するのは、これはまあご都合主義と言えばそうなのですが、私はそこは気にしませんでした。
料理のアク抜きの原理や、山菜は普通の野菜より苦みが強いなどの実際に使えそうな豆知識も、料理に興味があまり無い私にも面白かったです。 
タランチュラを食べたらチョコ味がするという真実かもよく分からない怪しげな知識を頼りに、異世界でも嫌がられているクモをショウがチョコの材料にする場面は、そんなチョコ絶対食べたくないと思いました。
いくら美味しくても怪しげな物を食わされる姫様は可哀想ですが、原材料を知った後の反応が少し笑えました。
後は、見所をあげるならば、ガラスや紙や酒や日本食作りは他のなろう小説で見た事がありますが、小牛を解体してチーズを作る方法は、この小説でしか読んだ事がなく、感心しました。