本作は、森見登美彦先生の長編小説です。
元は新聞の連載小説でしたが、単行本化の際、大幅に書き直し、ほぼ新作になりました。
舞台は京都、時は宵山祭りの朝。
主人公の小和田くんは、新米社会人。静謐を愛し、のんびりするのが大好きな彼は、なぜか正義の怪人・ぽんぽこ仮面から、跡継ぎになるよう迫られます。
このぽんぽこ仮面、ペラペラの狸のお面に、黒いマントと怪しい外見ですが、困っている人を助ける正義の怪人。
彼の正体を探る探偵助手の玉川さんや、怪人を追う謎の組織。
小和田くんの先輩や上司も巻き込んで、ぽんぽこ仮面の逃亡が始まります。
気づかず渦中に巻き込まれていく、小和田くん。
彼は寮に帰って、ゆっくり眠りたいだけなのに……。
ひょんなことからぽんぽこ仮面の正体を知った彼は、仮面をかぶって身代わりをすることに。
宵山祭りの奥、謎の組織に乗り込んでいきます。
小和田くんは、柄にもない冒険を終えることが出来るのか?
そして、仮面とマントを奪われた本物は?
他の森見作品とリンクしている箇所もあり、「金曜倶楽部」など、ファンなら思わずニヤリとする場面も。
宵山祭りと共に終わる、小和田くんの小冒険。
どんな時もマイペースさを失わない、小和田くんにニヤリとさせられます。