小野不由美『残穢』にみる家さがしの怖さ

「怖い話」が書かれた手紙が届く。以前、連載していた小説中で募集していた「怖い話」の一環として送られてきたその手紙を読み進める〈私〉。

久保は、借りている部屋の寝室から奇妙な音がすると訴えていた。まるで「畳の上を掃く様な音」は、年をまたいでも止むことなくし続けていると言う。それどころか「着物の帯のような平たい布」が床を這っていくのを見たと言うのだ。

その記述に既視感を感じた〈私〉は昔、他の読者からもらった「怖い話」の中に同じく「畳の上を掃く様な音」に関する話があった事に気づく。

(2人が遭遇している現象は同じなのでは?)そう考えた〈私〉は久保に連絡を取り、久保が住む「岡谷マンション」について調べ始めるのだが…。

家とは、生きている以上私たちから切っても切れないものです。

でも、その家の来歴を考える事は少ないと思うのです。

新築物件であっても、殆どの場合その物件は何かの跡地の上に立っていて。中古物件ならば、必ず前の住人がいる。そんな当たり前の事、この小説を読むまで考えた事ありませんでした。

でも、知ってしまったからには調べずにいられない。

その先にあるものが、例え知らない方が良かったとしても。きっと、貴方も。